欧州における最高裁はどこか

Charlemagne: Supreme muddle | The Economist
ややこしい記事。欧州にはもちろんEuropean Union(EU)があるが、the European Councilとthe Council of Europeという同じような名前の組織がある。前者はEUの最高意志決定機関であり、後者は欧州諸国が参加するクラブの名称だ。EUには参加していなくてもthe Council of Europeには参加している国は多い。たとえばアイスランド、スイス、トルコ、ロシアはthe Council of Europeには参加している。EUとthe Council of Europeが別組織であることから、別の司法機関が存在している。EUにはthe European Court of Justice(ECJ)があり、the Council of EuropeにはThe European Court of Human Rights(ECHR)が存在している。この二つの裁判所はそれぞれの加盟国の首脳をいらだたせる判決を出すことでも知られている。そのためそんな裁判所から避けるためにいろいろな方策を考えているものの、なかなか難しい。ECJから逃げるためにはEUから脱退する必要があるが政治的な大きなコストとなり有権者も同意しないだろう。反対にECHRを避けるためにはthe Council of Europeから脱退する必要があるが、そうなるとEUの加盟自体が問題になってくる。現在、EU自体が一種の国家として認知されつつあり、国連でもEUの名義で発言することも可能になってきた。またEU自体が人権条約に加盟することも予定されており、そうなるとEUそのものが人権条約に違反した場合には、ECHRに提訴できるようになる。