悪化するイタリア南部

Southern Italy's ills : The messy mezzogiorno (The Economist)
イタリア南部の経済・社会情勢は常に悪かったので、最近では注目を集めることはなかった。特にイタリア南部よりも経済が悪い国がEUに加盟してきていることからなおさらである。しかし最近、南部に注目が集まる出来事があった。ベルルスコーニー首相の与党から、北部同盟に対抗するような形で新しい政党を結成すると南部出身の政治家が脅してきたためだ。イタリアの政治が北部に牛耳られて、南部の利益が鑑みられていないことに反発したためだ。さすがに首相も与党分裂は避けたいので懐柔し何とかこの騒動は収まった。イタリア南部も経済成長はしているものの、北部との差はかなり大きい。優秀な人材が北部に流れる傾向もある。北部同盟主導で憲法改正が行われ、イタリアが連邦体制に近づいたのも、北部は自分たちが納めた税金を南部の汚職まみれマフィアが跋扈する地域に渡したくないためであった。南部はこの動きに反発してもおかしくなかったが、連邦制により、政治において説明責任が明確になると政治も良くなるのではないかとの考えから同意したという経緯がある。