米国の交通インフラ

America's transport infrastructure: Life in the slow lane | The Economist
先週号のThe Economistは米国経済の問題点を長文の記事で取り上げている。具体的には交通インフラの劣化と、成人男性の労働参加率の低下である。
この記事では交通インフラが車と航空に依存している現状を紹介している。巨大な国土であるだけに日本や欧州のように鉄道網を整備するのはなかなか難しい面もあると思うが、車社会であるはずの米国では、意外なことにそれほど道路整備にはお金をかけていない。新規建設にはそれなりにお金を使っているようだが、保守に投じられる資金が少ないのだ。米国では道路整備はガソリンに課税された資金でまかなっているが、税収の不足で慢性的に資金不足で、一般会計からの資金補填が欠かせない状況だ。財政赤字を考慮すると充分な資金補填も考えにくい。この状況を改善しようにもガソリン税を引き上げるのは有権者には受けが良くないので政治的に難しい。道路建設連邦政府・州政府・自治体の3つにまたがっており、連邦政府からの資金配分方法もゆがんでいるので効率的な道路建設に結びつかないという問題もある。
航空インフラでも同じように資金不足が問題を引き起こしている。衛星を使った管制システムへの切り替えが遅れているために同じ空域で運行できる航空機の数が制限されている。鉄道インフラが未熟であるために航空インフラへの依存度が高まる一方で、空港の拡張が追いついていないため混雑もひどくなる一方だ。