ドイツの総選挙

Germany’s elections : A new buzz for Germany (The Economist)
Germany's federal election : The final furlong (The Economist)
The Economistはここ数週間、ドイツの総選挙に関してかなり関心を寄せていた。しかし好意的な記事ではなく、いずれも、ドイツが直面している大きな問題(人口高齢化、輸出依存経済体制からの脱却、金融システムの安定など)に対して、積極的な政策論争が行われておらず、財政出動で一時的に雇用が下支えされていることから、政治家・国民双方ともに現状維持というぬるま湯につかっているのではないかとの批判が目立った。そもそも2大政党のCDUとSPDが大連立政権となっている以上、相手を攻撃することもなかなか難しいだろうと思うのだが。
The Economistでは、総選挙に際して、CDUとの連立を前提に、FDP(規制緩和・簡素な税制などを訴える右派)への投票を呼びかけていたが、期待通りの結果になったようだ。ドイツの選挙制度に問題ありとの二つ目の記事を読んで、いまいちよく分からなかったのでwikipediaなどで調べてみたら、ドイツは小選挙区制度のように見えて、比例代表という色彩が濃い選挙制度を採っているようだ。小選挙区で当選するともちろん、議席は与えられるが、その政党はそのぶん比例区での議席を失う。定数よりも当選者数のほうが多いという奇妙な状況も発生しているというのがおもしろい。ただこのような状況は憲法裁判所から是正するようにとの判決が出ているようだ。