ドイツの憲法裁判所

Germany's Constitutional Court : Judgment days (The Economist)
ドイツの憲法裁判所の紹介記事。ためになる。ドイツでは誰もが提訴できる憲法裁判所があり、提訴件数は年間6000件にも上る。また国民からの信頼も厚い。政府よりも高い信頼度を誇っている。判事は政党から指名されるものの、議会では全会一致で承認されることもあり、政治から超越した立場にあると見られている。自由を守るのも憲法裁判所の役目であるが、自由を否定するものには表現の自由は認められない。そのためホロコーストを否定することは犯罪にあたる。米国の連邦最高裁判所では判事の意見が分かれ、少数意見が併記されることも多いが、ドイツの場合はコンセンサス重視で全会一致で判決が下されるのが普通だ。違憲判断は今まで600程度であり、積極的に違憲判決を下すという憲法裁判所のイメージとは少し異なる。ただ政府にとっては違憲判断で政策の変更を余儀なくされることも少なくない。ドイツ人の憲法観というのも興味深い。何でも憲法問題にしてしまうという性格があるようだ。