カリフォルニア州の財政危機

California's crisis : The ungovernable state (The Economist)
米国人の8人に1人はカリフォルニア州に住んでいるらしい。そのカリフォルニア州で予算案を巡る泥仕合が繰り広げられている。同州の予算案は3分の2の議員によって可決されなくてはならないので州議会では野党になる共和党の議員の支持が欠かせないがなかなか支持を獲得することができない。その間にも財政は悪化し続け、公共工事の支払い延期、工事ストップといった事態に至っている。同州の税収の多くが所得税になっており、しかもかなりの累進税制なので金持ちの所得が急減すると税収が大幅に落ち込んでしまうという問題がある。好況時には住民投票で賛成されたプロジェクトへの支出が増加し、民主・共和両方とも財政支出を拡大することしか頭になかったという経緯がある。また同州の政治体制も問題の一つで、うまいぐあいに選挙区が分割されているので、共和党民主党がそれぞれの選挙区の議席を確保し続けている。そのため予備選が大きな鍵を握ることになり、穏健派が少なく議会での妥協が難しくなってしまう。もし予算案が通過すると、増税が実施されるのでせっかくのオバマ政権による景気刺激策の効果もある程度損なわれてしまうことは確実だ。