経済への国家関与を強めるドイツとフランス

The state and the economy: Germany : How to restart the engine? (The Economist)
The state and the economy: France : Back in the driving seat (The Economist)
ドイツとフランス、それぞれで政府が経済活動に積極的に介入しようとしている。ドイツではOpelの救済が大きな焦点だ。いずれも国家による経済統制色を強めているのだが、政界での受け止め方はけっこう異なる。ドイツでは政府が市場に介入することに対しては拒否反応も強い。メルケル首相率いる連立政権が積極的に企業救済を進めていることへの反発で、保守勢力の支持率も上昇している。反対に、フランスではもともと新自由主義はあまり存在感がなかったために、政府による企業救済に対してはほとんど異論はない状況だ。逆にもっとやれと催促の声まで出ているほどである。しかしこれはサルコジ大統領にとっては皮肉な展開でもある。サルコジ大統領はフランスにおける政府の市場介入を弱めて市場原理を強化する方向で改革を行うことを目指して大統領に就任したのだが、結局改革を進める暇もなく世界的不況に飲み込まれてしまったことになる。