株式は本当に長期的にみたら上昇するのか

Buttonwood : Clare and present danger (The Economist)
題名はトム・クランシーの小説のもじりか。オックスフォード大学の内部構造がどうなっているのかよく分からないが、Clare Collegeという大学がインフレ調整後の実質金利1%強で40年間お金を借りて、株式に投資することにしたらしい。ヘッジファンドみたいなものだ。この記事ではこの戦略を評価しているようだ。そもそも40年間、インフレ調整後の株式のリターンが年率1%にも満たないとすると(バリュエーションは変わらないとしてEPSがインフレ調整後1%も上昇しないと考えても良いのかも)、資本主義体制自体が崩壊してしまうのはないかという。20世紀初頭にはロシアや中国が新興資本主義国家として高い注目を集めていたが2国とも革命が起こって体制は崩壊、投資家も大損することになった。後から過去を振り返ってみると成功した資本主義国家しか意識されないので、このような失敗例を思い起こすのも難しい。
株式は長期的にはかならず儲かるとの思いこみがあるようだが、これは結果というよりも資本主義体制が持続するために必要な条件でしかないのではないかとこの記事を読んでから最近考えるようにもなってきた。