メドベージェフとゴルバチョフ

Russian modernisation : Dmitry Medvedev's building project (The Economist)
共産党書記長に就任した当初、ゴルバチョフソ連経済の崩壊を率直に認め、近代化を進めないといけないと強く訴えていた。現在のメドベージェフ大統領も同じだ。原油に依存した脆弱な経済から転換を進めようと主張している。残念ながら、どのように転換するのか処方箋がはっきりしない点も、両氏に共通している。経済体制を変換するには、法による支配さえ満足に実施できていない現状を改めることが欠かせないが、そうすると政治の変換も求められてくる。いくらメドベージェフ大統領が主張しても、プーチン首相が実権を握るなか、国家体制を変換することは難しい。国家の近代化は、国家に寄生して甘い汁を吸っている既得権者(プーチン首相の取り巻き)から利益を奪ってしまうことになるためだ。ゴルバチョフは経済の転換が難しい中、自由化を通じて国家を維持しようとしたが、結果的にソ連崩壊に導いてしまった。プーチンソ連崩壊を大きな悲劇と見ているだけに、同じ道を歩むとは思えない。自由化ではなく、さらなる抑圧・統制を通じて国家を維持しようとするだろう。