20051230

以下の記事を読んだ。昨日寝るのが遅かったので寝坊してしまった。6時40分起床。

  • ニューヨーク証券取引所(NYSE)は今年をもって創設以来の非営利団体としての組織形態には別れを告げることになる。来年よりはArchipelagoと一緒になりNYSE Groupとして公開企業としての新しいスタートを切ることになる。世界的に取引所の株式公開は加速しており、ドイツやイギリス、香港などで同様の動きが見られる。しかもいずれも公開当初よりは大幅に株価が上昇している。この動きがNYSEでも同様に作用すると見ているのが、Thomas Caldwell氏だ。同氏はNYSEの会員権を買い集めており、すでに株式総数の3%以上を保有している。同氏は取引所が生み出す収益が市場平均よりも大幅に上回るものと見ている。NYSEの会員権は今年になって3倍以上に上昇しているが、理論価格と比較するとまだ安い水準にある。というのも会員権保有者がもらえることになっている、株式は一定期間転売することができないためだ。会員権はseat(座席)と呼ばれるが、これはトレーダーにそれぞれいすが割り当てられ、そこから注文を出したためだ。現在はいすは存在しないが、名称として残っている。

  • CEOであるPaul Otellini氏の下で大胆な戦略転換を目指すインテルの紹介。今まではPCに特化した戦略を実行してきた。これにより同社は莫大な収益を上げることができたのだが、今後はPC市場も頭打ちになることが予想されており新市場を積極的に開拓する必要がある。今までも新市場には進出していたものの、あくまでもPCが中心という位置づけであった。今回の戦略転換ではPC向けチップは中心的存在ではない。大規模な組織改革によりPC向け半導体事業の制約を受けることなく新市場に進出することができるようになった。ブランドロゴも変更し、多くの宣伝費を投じて新しいブランドイメージを浸透させる予定だ。しかし経営危機に陥ったわけではないインテルが、大規模な戦略変更・ブランドイメージの変更を行うのはかなり困難な作業でもある。同社は今まではPC向けの半導体の設計が社内ヒエラルキーの最上位にあった。しかし現在はマーケティングがより重要視されている。それを代表するのが、サムソン電子より引き抜いたマーケティング担当の役員だ。社内ではマーケティングが重視されることに対しては不満も大きい。エンジニアがAMDなどに移籍してしまうケースも出ている。しかし経営陣は社員の声を聞いてガス抜きを行っているようだ。
    本日のWSJNew York TimesでもIntelの戦略転換の話題が大きく取り上げられていた。
  • 勤勉な労働者が特徴だった日本で、ショッキングな現象が発生している。学校に行くわけでもなく仕事も探そうとしないNEETニート)と呼ばれる集団が登場しているためだ。若い世代で急速に存在感を高めている。米国にも同様な人たちは存在しており、比率も日本より高いものと推定されているが、日本と異なり比率は安定的に推移している。日本でニートが増加してきた背景には、景気悪化がある。新規雇用を制限したために若者の就職機会が少なくなっているのだ。またニートを許容してしまう親の存在も大きい。長い間会社に人生を捧げた親たちは自分と同じ道を子供達にも進ませたくないと考えており、子供に自分の夢を追求することを許容しているのだ。日本におけるニートの増加は、ニート対策のための本やセミナーなども増やしている。ニートが就職できるように支援するNPO なども活動している。
    WSJの一面にニートが特集。今更という感じもする。
  • National Archives and Records Administrationが管理する公文書に占める電子データが急増している。紙の100倍以上の増加スピードとなっている。取り扱う量が膨大すぎて関係者でも把握できていないほどだ。100年後でも読めるようにするにはどのような形式で保存すればよいのか関係者は頭を悩ませている。法律による規制があるために、データを印刷して保存することはできない。正統性を確保するためにオリジナルの形式で保存する必要があり、磁気テープにコピーしている。目標はネットで簡単に公文書を見ることができるような体制を作ることだ。
    基本はhtmlで保存するみたいだが、すべてをカバーするのは難しそうだ。
  • 世界銀行総裁のWolfensohn氏が、米国政府の特使として欧州やロシアの特使達と共同でガザ地区の経済復興に乗り出している。同氏は中東の平和には政治だけではなく経済成長が重要だと考えており、いかに速くガザ地区の経済を成長させるかが大きな鍵を握ると考えている。そのために同氏はパレスチナイスラエルの間で国境警備の問題などで仲介工作を行っている。国境警備が厳しいとガザ地区イスラエルとの間で流通が停滞し、ガザ地区の経済にも大きな影響を与えるために重要な問題である。ガザ地区にはイスラエル入植者達が多数生活していたが、撤退によりガザ地区の農産業が悪化すると懸念されていた。温室栽培を主たる産業だが、撤退に際してこれを破壊するとしていたためだ。しかし同氏の努力により世界中から投資家の資金を集め入植者達より温室を買い取っている。

  • 米国政府が外国に援助する際に、民間資金も利用する計画を進めている。政府機関であるUSAIDがGlobalGivingというNPOと共同で行っているIraq Partnershipという運動だ。これはイラクで行われている開発プロジェクトごとに寄付を行うことができるという仕組みである。募金活動におけるamazon.comのようなもので、プロジェクトを選択し、「カート」に入れて募金することができる。しかし始めてから日が浅いということもあり1000ドル程度しかお金が集まっていない。有力な資金源として期待された海外在住のイラク人達もどのように資金が使われるのか確信が持てないようだ。テロリストに攻撃されないようにイラクでのプロジェクトに関しては漠然としたデータしか提供されないということも現実感を薄めている。

    GlobalGivingというNPOは日本人女性が創設に関わっているようだ。寄付した資金がどのように利用されるか明確になっているのが面白い。以前寄付していたフォスタープランにも似ている。