20050427

以下の記事を読んだ。
・志願者が記録的な水準に増加する中、大学は例年より多くの入学許可を受験生に提供している。受験生が増加しているために、最終的な歩留まりが見えにくくなっているためだ。歩留まり(Yield)は大学の競争力を測るための主要な指標として知られており、入学許可を提供した受験生のうち、実際に入学した学生の比率を示す。この数値をコントロールするために、大学はむやみやたらと入学許可を出さずに、補欠リストに入れておいて必要に応じて補欠から入学許可を出すという方法を取っていた。しかし最近は歩留まりのランキングが計測されないためにこのような小細工は不要になったのだ。ハーバードやスタンフォードなどのトップ大学が方針を変更したのも大きい。今までは許可を出した学生は必ず入学することを義務付けていたが、この方針を撤回しているのだ。また受験生も競争激化を受けて多くの大学に出願していることも不透明感を高めている。また受験生の増加に応じて、大学の定員を増やしているのも入学許可の増加につながっている。


日産自動車の復活の立役者であるカルロス・ゴーン氏が来月より親会社であるルノーのCEOに就任する。日産とルノー両方の経営を見るという忙しい日々を送ることになる。ただルノーでは日産以上に難しい問題に直面することになりそうだ。好戦的な労働組合が存在するためだ。既に組合幹部は人員削減に対して牽制を示している。フランスのルノーの工場では頻繁にストライキが発生しており、生産性を低める結果となっている。また退任する前任のCEOとの関係も懸念される。前任者はサルトルの孫という人物であり、ゴーン氏を日産に送り込んだ張本人である。ただ二人の関係は必ずしも良好なものではなく、経営をめぐって対立することもあった。ゴーン氏は日本では有名人であり、ゴーン氏を描いた漫画まで存在する。ヘルシア緑茶を飲んで体重を落としたり、眼鏡をはずすためにレーザー手術で近眼を直すなど、外見へのこだわりも大きい。決算発表会ではコンサートのような趣向で自らの登場を演出している。このようなエゴはフランスの実業界では敬遠されるため、どの程度このエゴを抑えられるかという点も大きな問題として指摘されている。


・遺伝情報のデータベースを構築して、祖先を検索する事業を展開している実業家の紹介。この実業家の名前はJames Sorensonといい、医療用器具の開発で財を成した人物である。ノルウェー出身である自らの祖先を調べるために遺伝情報に関心を示し、学者を招き入れてプロジェクトを開始した。同様の遺伝情報サービスはナショナル・ジオグラフィックなども提供しているが、同氏の事業は、具体的な祖先を示してくれるという点が特徴である。ただプライバシーの問題から一定期間以上前に生まれた人物しか検索結果には表示されない。現在はY染色体(父親の祖先が分かる)をカバーしているが、将来はミトコンドリアDNA(母親の祖先が分かる)もカバーする計画を有している。


ニューヨーク証券取引所(NYSE)がArchipelagoを買収する動きを見せている中、元NYSEの役員を中心としたグループは対抗案を検討している。買収条件を検討した上で正式な対抗案を出すのかどうか決定するという。そこで問題となるのが、NYSEの市場価値である。NYSEの会員権を保有している企業や個人から見れば、今回の取引はArchipelagoに有利であるとの印象を持っているようだ。現在の条件では合併して成立する新会社では7割がNYSEの会員が保有することになる。昨年の利益の比率を考えると7割という比率はNYSEにとって低い評価だと見る向きがある。ただ反対にArchipelagoが低く評価されているとの見方もあり、アナリストの間でも意見はまちまちである。NYSEの市場価値を評価する上で問題となるのが、非営利団体という点である。もしNYSEが先行して営利団体に転換し上場すればもっと高い価値になると見るアナリストもいる。NYSEがマンハッタンに所有している取引所の不動産価値に着目するヘッジファンドもいる。



カルロス・ゴーンの記事が面白い。本筋とは関係ないのだが、ヘルシア緑茶はそんなに効果があるのかな。コンビニに行ってみた所、結構高いのでやめた。
なぜか今日はHeard on the Streetの掲載がなかった。と思ったが、遅れてアップロードされていた。