中抜きを恐れるケーブルテレビ業界

Tech.view : Down the tubes (The Economist)
米国ではブロードバンド回線は日本と比較してかなり高額である。コムキャストでは50メガで月額140ドル以上というからかなりのものだ。電話会社と異なり、ケーブルテレビ業界は比較的少額の設備投資でブロードバンド回線を提供できるのだからもっとアグレッシブな価格設定でシェアを広げればいいと思うのだがなぜか足取りは重い。なぜか。ブロードバンド回線によりケーブルテレビチャンネルを通さずに直接ネットから動画を見てしまうことを恐れているのである。ケーブルテレビでは多くのチャンネルをバンドルして加入者に販売しているが、加入者の多くはごく一部しか視聴していない。そこで好きな番組だけをネットから直接見るようになればチャンネルを解約されてしまうリスクがあるのだ。実際に、YouTubeを視聴できるテレビも多数販売されている。またApple TVのようなテレビでネットコンテンツを再生できる機器も登場している。さらにはBoxeeのようにパソコンをネットコンテンツのセットトップボックスに変換してしまうようなソフトも話題を集めている。チャンネルを通さずに直接ネットからコンテンツを再生することが一般的になるのも時間の問題かもしれない。