ゴールドマン・サックス最高益更新

Goldman Sachs : Modern Midas (The Economist)
クリスマスを前にして今週のThe Economistは木曜日に発行されたようだ。年忘れ合併号ということみたいなので来週は発行しないのだろう。
ゴールドマン・サックスが同業他社がサブプライムモーゲージによる多額の損失を抱えているのに反して、最高益を更新したという記事だ。昨年あたりからサブプライム問題が広まるとの認識を同社のトレーダーたちは持っていたようで、早い段階からヘッジを行っていたようだ。顧客にサブプライムモーゲージ関連の商品を販売しつつ、自己勘定ではヘッジを行っているとは企業姿勢としてどうなんだとの意見もあるようだが、非常に抜け目ない会社である。この点に関しては、先週末のWSJにも長文の記事が掲載されていた。How Goldman Won Big On Mortgage Meltdownという記事だ。相場の下落局面ではボラティリティが増加するためにVARもふくらみ、リスク管理の観点からは買い戻しを行わざるを得ないが、トレーダーたちは上司を説得してポジションを抱え続けたようだ。
このThe Economistの記事には面白いチャートがついている。どうやってこんなデータを算出したのかはよく分からないが、ウォール街投資銀行の自己勘定トレーディングの成績表である。無敵と思っていたゴールドマン・サックスのトレーダーたちも必ずしも突出して成績が優れているというわけではなさそうだ。ベア・スターンズのほうが手堅く着実に稼いでいるといった印象を受ける。ゴールドマンの場合は大もうけすることも大損することも多く、成績にぶれがあるような感じだ。