GSEsを取り巻く幻想が壊れた日

Fannie Mae and Freddie Mac : End of illusions (The Economist)
ファニーメイやフレディーマックというGSEsは奇妙な存在であった。株式公開さえしている民間企業でありながら暗黙の政府保証があると投資家には認識されていたためだ。この暗黙の政府保証ゆえに、極めて低い金利で資金を調達できたし、民間金融機関では考えられないような高いレバレッジを行うこともできた。しかしこの幻想が試される日が来ることになる。結局、政府は暗黙ではなく明確な政府保証を両社に与えるところまでに追い込まれることになった。
住宅ローンに保証を付けることにより住宅取得資金を調達しやすくするというのが両社の設立の趣旨だったのだが、いつのまにか借金を使って自ら住宅ローンを保有することにより一種のヘッジファンドに変貌していた。この点は以前より多くの人がリスクとして指摘していた点である。
アスターンズ程度の会社でさえ破綻すれば金融システムに大きなショックを与えることが予想されるのであれば、この2社が破綻した場合の影響はそれどころの騒ぎではない。そのため政府には救済しないという選択肢はなかったのだろう。まさかサブプライムモーゲージの騒ぎがファニーメイにまで飛び火するとは予想もしなかった。後知恵で考えると必然的だったとは思えるのだが。。3月のベア・スターンズの救済劇は最終幕だと思っていたら、まだアンコールが続いているような感じだ。まだまだお楽しみはこれからだ!といったところか。