銀行の自己資本比率の低下

Bank capital : Tightening the safety belt (The Economist)
これもサブプライムモーゲージ問題に関する記事。債券の評価損が銀行の自己資本を食いつぶしている。また保有している債券の格付けが低下することでリスクウェイトが上昇していることや、オフバランスのSIVをオンバランスにする可能性も自己資本をさらに低下させる要因となっている。自己資本比率が低下すると、銀行は比率を改善するために貸し出しを厳しくすると考えられるので景気への悪影響も予想される。自己資本比率を引き上げる方法としては自社株買い戻しを止めることや、配当削減、増資などが考えられる。
またリスクウェイトという概念が曖昧であることに嫌気をさして、ティア1比率ではなくより単純なレバレッジ比率(リスクウェイトの調整を行わない)に注目する投資家も増えている。

オフバランスのSIVをオンバランスにする可能性に関してはCiti's $41 Billion Issue: Should It Put CDOs On the Balance Sheet? (WSJ)(2007/11/26)という記事が興味深い。Heard on The Streetにはよくこのような会計基準のネタが登場する。初心者でも分かるように書いているので理解しやすい。