債券市場の混乱まだまだ続く

Buttonwood : Serial crunching (The Economist)
サブプライムモーゲージ問題で、今後の焦点はヘッジファンドの動向だ。ヘッジファンド全体を見ると今年の運用成績は悪くない。もちろんヘッジファンドは様々な資産に投資しており、株式市場の上昇の恩恵を受けている部分もある。しかし大手金融機関が連日、多額の評価損を計上していることを考えると、ファンドが保有資産の評価においてトラブルを抱えている可能性も考えられる。モデルに基づいて算出した評価額で保有資産を評価しているのであれば、評価損は表には現れてこない。しかし12月末には多くのファンドで解約処理が行われる。解約を通知してから実行されるまでには数ヶ月の猶予期間があるので、夏に解約通知したものが実行されるのが12月になる。そこで解約資金を捻出するために、保有債券をたたき売りするような事態になれば、運用成績は悪化し、一層の解約が発生するという可能性も考えられる。
また、サブプライム問題を受けて、銀行による貸し出し態度の変化し、住宅ローンだけではなく、自動車ローンやクレジットカードなどでもお金を借りにくくなっている。経済への悪影響は避けられない。