- 作者: 日高敏隆
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2003/12/11
- メディア: 単行本
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イリュージョンという言葉がどのような意味で利用されているのかいまいち分からないのだが、世界を認識するための枠組みといったようなものだろうと考えている。人を色眼鏡で見てはいけないとよく言われるが、この色眼鏡がイリュージョンと言うべきものなので、言い換えると人間は色眼鏡なしにはそもそも世界を認識することができない。
人間は時代により異なったイリュージョンを抱えて生きてきた。昔は地球は平面だというイリュージョンを持っていたが、現在は地球が丸いというイリュージョンに置き換わった。人間以外の動物は論理を使うことができないので、自ら知覚する以上のイリュージョンを持つことができない。
イリュージョンは必ずしも幻想とは限らない。科学的な根拠を持つイリュージョンもある。この場合のイリュージョンとはパラダイムと同じような意味をもつのだろうかと考えてしまった。またイリュージョンの歴史とは人間が抱えてきた世界観の歴史でもあるのだろう。