現代語訳 般若心経

現代語訳 般若心経 (ちくま新書 (615))

現代語訳 般若心経 (ちくま新書 (615))

半分程度読んだが、予想以上にすごい本だった。意識から認知科学、進化論、量子科学などにも話題は広がってゆき、仏教の本を読んでいるというよりも科学の本を読んでいるような気がしてきた。
読んでいるとハンフリーの「赤を見る」(ASIN:4314010177)や、最近読んだ「動物と人間の世界認識」(ASIN:4480860681)も思い出した。

「あらゆる現象は、単独で自立した主体をもたず、無限の関係性のなかで絶えず変化しながら発生する出来事」という指摘に大きくうなずく。変化するからこそ、目に見え、耳で聞こえるという。


日常で利用している言葉の中に仏教由来のものはあんがい多いが(因縁、因果、餓鬼など)、「我慢」も仏教由来らしい。「我慢」の本来の意味は「我」を固定的実体だと思いこむことから生じる傲慢さというものらしい。意識を持ってしまったが故に多くの問題が生じることになってしまったということを主張しているようだ。