20061128

ヘッジファンドが多く誕生したことを背景に、運用競争が厳しくなったことと、SECの規制の変化により、企業経営者が情報を公開したがらなくなったことが原因で、新しいネットワーキングサービスが成長している。企業内の従業員と投資家を結びつけて、生の情報を投資家に提供するサービスだ。このサービスで成長しているのがGerson Lehrmanである。同社は企業内の従業員をコンサルタントとして登録させ、報酬と引き替えに投資家と会話することになる。しかしこの手のサービスはインサイダー情報を入手する場と化してしまう恐れも大きい。同社ではインサイダー情報を提供しないように様々な対策を講じているとしているが、投資家が法律に無知なコンサルタントから情報を引き出す可能性も指摘されている。このような法的リスクが存在するために利用を中止したヘッジファンドも存在する。同社で利用している外部コンサルタントのうち、上場企業に勤務しているのは数割程度しかない。上場企業の調達先や販売業者からでも有用な情報を取得することが可能だという。

Seeking an Edge, Big Investors Turn to Network of Informants
(WSJ)(2006/11/27)(Finance)(3,186 words)(Rating:5)
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gerson (60.03) lehrman (47.89) lehrman's (28.10) glick (20.45) nonpublic (19.67) penske (18.47)

今日読んだ記事の中では一番面白い。しかし3000ワード以上とは長すぎる。コンサルタントは一種の副業になるわけだから、日本ではこのような商売は難しいのかもしれない。もちろん米国でも会社の利益と対立するような関係を有する副業は禁止しているところが多いようだ。

中国では今頃、すでに次世代携帯電話(3G)の免許が交付されている筈であった。しかし来年に延期されるものと見られている。原因の一つが中国が国家の威信をかけて開発している携帯電話規格のTD-SCDMAの試験が予想以上に長引いているためだ。この問題は、欧米の通信機器メーカーにも悪影響を与えている。現在利用されている2Gのインフラ整備の際には、モトローラやルーセントなどが受注し大きな恩恵を受けていた。しかし中国が独自の規格で進むことになると、欧米への発注も減少すると予想される。すでに業績には悪影響を与えている。中国はTD-SCDMAに加えてWCDMAやCDMA2000などの欧米の規格も利用すると見られているが、中国国内の通信機器メーカーであるZTEなどが体力を増しており、欧米企業にとっては手強いライバルになると見られている。また中国では多くの携帯電話ユーザーがいるものの、高額な3Gを利用できる消費者はそれほど多くないと考えられることから、実際に3Gにどの程度投資されるのか疑問の声もある。皮肉なことに携帯電話会社自体は、大規模な商業利用がなされていないTD-SCDMAよりも欧米の規格を利用したがっているようだ。

How China's 3G Telecom Initiative Could Work Against Western Firms
(WSJ)(2006/11/28)(Heard on the Street)(1,041 words)(Rating:4)
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td-scdma (20.65) nicholas-applegate (15.02) lucent (12.41) zte (12.26) creditsights (12.08) vendors (11.81)

中国で携帯電話向けに音楽やゲームなどのコンテンツを有料で配信している会社として、Tom OnlineやSohu.comなどがある。中国における携帯電話ユーザーの増加に伴い、コンテンツへの需要も高まっており、今年の年初は株価も急上昇していた。しかし7月にこの手の企業の株価は急落している。詐欺的な業者が利用者に料金を請求していることが問題になり、規制が強化されたためだ。各社ともお試し期間を設けたり、契約の際の確認を厳重に行うといった対策を行っている。株価が下落したのは、規制強化がコンテンツ市場の縮小をもたらすのではないかと懸念されたためだ。しかし最近は予想したほど規制強化による打撃は大きくはなく、一過性のものであるとの認識が広まり株価も反発している。株価は上昇しているものの成長力の高さからアナリストは強気姿勢を崩していない。ただ携帯コンテンツ市場は、携帯電話会社の方針の変更が大きく影響を与えることを懸念するアナリストもいる。

China's Mobile-Download Firms Find Themselves Back in Favor
(WSJ)(2006/11/28)(Heard in Asia)(841 words)(Rating:4)
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sohu (18.83) hurray (17.65) brueschke (17.19) ringback (15.02) sina (14.37) bda (11.76)

スタンフォード大学やMITは学内で開発された技術を外部にライセンス提供することで多額の収益を上げている。また学内で起業した会社からの投資収益もある。スタンフォードにおけるGoogleが好例だ。他の大学もこの二つの大学のように技術移転で収益を稼ごうとしている。学内で起業家を養成するためのセンターを設けたり、学内で開発された技術を外部の投資家に紹介する試みなどが進められている。しかしスタンフォード大学やMITのように成功することは簡単ではない。大学だけではなく、周辺に存在する投資家集団や企業集団が大きな意味を持つためだ。実際、ライセンス収入で多くを稼ぐ大学は少ない。しかし大学としては起業家予備軍に支援することで、もし彼らが将来成功した場合には多額の寄付を母校にしてくれるかもしれないという期待があるようだ。

More Universities Increasing Support For Campus Start-Ups
(WSJ)(2006/11/27)(Education)(1,490 words)(Rating:4)
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usc (29.86) stevens (15.98) usc's (14.04) licensing (13.13) buckman (12.62) faculty (11.42)

企業の広告で同じ写真を使ってしまうケースが増加している。使用権が安価な写真がCD-ROMやネットで簡単に手にはいるようになったためだ。多くの写真データが低料金で利用できるものの、マイノリティを使って特定の感情を示すような写真は比較的少ない。そのためたまたま複数の企業が同じ写真を使ってしまうこともあるのだ。自ら写真を撮影するのはかなりの金額が必要になる。もし写真データの独占利用権を購入する場合でも、自ら写真を撮影するのと同じぐらいのお金が必要になることもある。特定の商品をアピールするためのキャンペーンでこのような安価な写真を利用することが多く、消費者も混乱しないだろうと企業も考えているようだ。しかし多くの消費者が見るような大規模な広告では他の企業が使えないような写真を使うことが多いという。

When Marketers See Double
(WSJ)(2006/11/28)(TMT)(1,321 words)(Rating:4)
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images (12.81) corbis (12.74) photo (12.53) marketers (11.30) brand-specific (10.62) mastercard (10.17)