「じゃりン子チエ」という生き方―チエの強さ、テツの弱さ、ヨシ江の恐さ

何度も読み返してしまうような本。じゃりン子チエが数十年経つと綾戸智絵のような人になるのかなあと思ってしまった。名前も同じ「ちえ」だし。
登場人物の性格分析でも一番違和感があるのが、「ヨシ江」の分析だろう。ネットを調べるとhttp://www.jarinko.com/monograph/nagao.htmという本書への批判もあった。確かに最初読んだときには違和感があったのだが、具体的なエピソードを紹介して自説を展開していくのを読むとかなり納得してしまうのも事実だ。テツを自分の都合のいい男性に調教していったというのが本当ならほんとに怖い女性である。しかしこの都合のいい男性というのが、世間一般の良い夫というイメージとはかなり異なっているのが面白いところである。夫がろくに働かないでくれたほうが周囲の同情を自分に集めることができるという計算もあったのではないかと著者は指摘している。確かにこのような論旨はかなり無理矢理のような気もするが。かなりゆがんだ夫婦関係であったことは確かなようだ。


文庫本をそろえたいが、置き場所を考えると躊躇してしまう。漫画喫茶で読む方がいいのかな。「じゃりン子チエ 劇場版」(ASIN:B00064194G)も見てみたい。たぶんテレビシリーズと同様に子供の頃に何回も見ていると思うのだが懐かしくなった。