20050628

以下の記事を読んだ。
原油価格が60ドルを突破するようになった現在、石油会社の新規油田開発も活発になっている。現在の油田開発ブームは石油ショックを受けた70年代後半の設備投資ブームに匹敵するものと指摘されている。しかし石油会社は今まで原油価格が低迷していたため、設備投資を抑えていたという過去がある。このことが現在の設備投資ブームに悪影響を与えている。石油サービス会社の供給能力が減少しているためだ。もっとも深刻な問題として油田開発に必要な人材が急速に減少している点がある。今まで仕事が少なかったために人員削減を進めてきたためだ。その結果設備投資に必要なコストが急激に上昇している。コストの急増に対応して、いくつかの石油開発プロジェクトは延期に追い込まれた。設備投資が増加して油田が開発されれば、石油の供給能力も増加し、石油価格も落ち着くものとみられるが、設備投資のコストの増加は供給能力の増加が遅れることになりかねない。


ヘッジファンドが地方債市場で存在感を高めている。地方債では国債と異なり、短期金利長期金利のスプレッドが2%程度ある。というのも短期債は非課税ファンドからの需要が高い一方で、長期債は地方公共団体からの資金需要を受け手発行が多いという背景があるためだ。そこでヘッジファンドは、長期債を購入し、tender-option bondsという非課税の短期地方債に仕立て上げて投資家に販売することで、短期金利長期金利のスプレッドを稼いでいる。地方債は個人投資家が主流を占めており、市場に非効率性が残っていることもヘッジファンドには魅力的な環境となっている。しかし同じような行動を取るヘッジファンドが大挙参入することで、魅力が薄くなってくるのではないかとの懸念もある。すでにtender-option bondsは地方債全体の1割程度にまで増加している。また金利リスク以外のリスクをヘッジファンドは抱えている。地方債は期限前償還が可能であることと、税制の変更により地方債の利子収入に対する課税が変更になる可能性があるためだ。


・CnoocがChevronに対抗してUnocalに敵対買収提案を行った。この買収の背景にはCnoocが学んだ苦い経験が生かされている。同社は最初のIPOでは失敗に終わっており、1社の投資銀行に依存するのは危険だと学んだのだ。そのため今回はJP MorganとGoldman Sachsの2社を起用している。また反中国の機運が高まっている米国議会や政府に対する工作を行うために多くの法律事務所やPR企業を起用している。同社の買収が成功すれば、同様の買収が活発になると指摘する声もある。Cnoocは中国の3大石油会社の中でももっとも小さい。しかしオフショア・外国での石油プロジェクトの開発を任されているために、海外での経験は長く、経営も国際色が強い。CEOは中国人であるものの流ちょうな英語使いであり、取締役の半分は外国人、役員会は英語で行われる。前CEOは海外資産の取得に関してはあまり目立ったことはせず、入札ではなく相対取引での購入を好んできた。しかし現在のCEOになってからは、同社を一気に成長させるために昨年の秋より買収を検討していたという。CEOは自らの買収提案の売り込みのために必要であるならばいつでも米国の政治家と面談する考えのようだ。


・米国航空業界の中で、コンスタントに収益を上げている数少ない企業がSouthwest Airlinesである。同社の本社の廊下は混雑を避けるために非常に大きく、オフィスというよりも空港のターミナルを思い起こさせる雰囲気である。この廊下には同社にまつわる様々な資料や物が展示されており、同社のスクラップ帳となっている。広報部門が何か過去の歴史を調べる際にはこの廊下にやってきて貼り付けられている資料を見るという。展示されている物のなかで一番多いのは、創業者関連のものだ。創業者が従業員と撮影した写真などが多く貼り付けられている。また煙草と酒を愛する創業者向けの避難用キットというものも展示されている。この中にはたばことウィスキーも納められている。



Southwest AirlinesのティッカーがなぜLUVなのか昔から疑問に思っていた。社名と全然関係ないからだ。上記の記事では同社の本拠地の空港がDollas Love Fieldであると紹介しており、この空港の名前に関係しているのかもしれない。
WSJのPage Oneの記事は全部読むのをノルマにしているが、昨日のPage Oneの記事の中には上院院内総務のBill Frist氏の紹介が含まれていた。4000ワード以上でかなり長い記事であり、米国政治の背景が分からないと理解できないのでパスした。WSJのPage Oneで米国政治の記事が掲載されるのは比較的少ないかもしれない。昨年は大統領選挙があったために結構多かったが。