20060906

  • ヘッジファンドへの関心はアジアでも高まっている。投資家にとってヘッジファンドのデータベースは有用な情報源だが利用する際には注意が必要だ。 EurekaHedge、AsiaHedge、HedgeFund.netといったヘッジファンドの運用成績を収録しているデータベースは、ヘッジファンドそのものから情報をうけとってそのままデータベースに収録しているためだ。データベース提供会社がデータをチェックすることはない。そのため運用成績が本当に正しいのかどうかは分からないのだ。ヘッジファンドに投資する際に助言を与えるコンサルタントによると、このようなデータベースはあくまでも投資家がデューデリジェンスを行うための第一歩に過ぎないと指摘している。

  • 格付機関のムーディーズヘッジファンドの格付けに乗り出した。今まで債券などの格付けを行っていた同社には大きな方針転換になる。ヘッジファンドの格付けといっても、ヘッジファンドの信用格付けやリターンを格付けするのではなく、オペレーショナル・リスクを格付けするものだ。バックオフィスでどのように事務が処理されているか、いきなり多額の損失を抱える事態を避けるためにどんな内部統制が行われているかなどがチェックされる。ヘッジファンドは人目にさらされることを避けてきたが、機関投資家ヘッジファンドの投資するようになると、第三者によりチェックを求める声も大きくなってきた。事前格付けという制度があるために、悪い格付けをもらうことが予想される場合には、格付けを取得することなく途中で降りることもできる。そのためムーディーズの格付けでは良い格付けに偏る可能性が大きい。

  • CBSの看板ニュース番組のアンカーが交代する。NBCから引き抜いたKatie Couricが引き継ぐのだが、交代に合わせて番組のテーマ曲も変更することになっている。このテーマ曲を作曲したのが、アカデミー賞を受賞したこともある作曲家James Horner氏だ。同氏の作品にはタイタニックビューティフル・マインドなどが含まれている。同氏にとってはテレビの仕事は初めてで、しかもテレビ自体をほとんど見ないので、人気キャスターのKatie Couricも知らないという状態だったという。Katie CouricやCBSのニュース部門の人に会うことでイメージを固め、テーマ曲を作曲したという。

  • オランダの航空会社であるKLMは20年以上も前からグローバルな航空業界の再編が必要だと見抜いていた。同社は機敏な経営により大手航空会社を上回る業績を上げており、ニューヨーク証券取引所に上場した外国企業の先頭グループでもあった。しかし同社が外国の航空会社を買収するには多くの困難があった。国単位で航空規制が異なっていたためだ。2国間で自由に飛行機を乗り入れることができる、いわゆるオープンスカイは、外国企業に買収されると権利を失ってしまうという問題があった。KLMのM&Aの苦闘は国際線の規制とイノベーションの歴史でもあった。規制を避けつつ統合の利益を得るために、考え出したのがコードシェアリングだ。同社はBritish Airwaysとは2回も合併交渉を行っていたがいずれも失敗している。さらには欧州の3社と同時に合併するという計画もあったが頓挫、イタリアの航空会社との合併も政治問題により失敗している。とうとう追いつめられたと感じたKLMはなりふりかまわず相手を探し出すようになり、最後にエール・フランスという相手を見つけるに至る。この合併ではKLMは買収されるという形になったものの、オープンスカイの規定はそのまま有効とされており、今までの路線を維持することが可能になった。多くの路線を抱えることで統合後の売上は成長している。コスト削減も進展中だ。同社の合併を受けて、米国やEU内でも規制の緩和に向かって進み始めた。
    今日読んだ記事の中では一番面白い。KLMの歴史がよく分かる。
  • 交通の混雑解消や大気汚染の削減を念頭に、多くの都市で水上交通機関を推し進める動きが出ている。フェリーや水上タクシーなどを利用して通勤させることで道路の混雑を解消しようとしている。しかし普及には問題も多い。フェリーや水上タクシー原油高を受けて運賃の引き上げに動いている。そして冬の間は運休したり、天候によって運行を休む場合もあるので安定的に利用できるわけではないこともネックだ。また、港からオフィス街までを結ぶ交通機関が不足している点も、利用客を増やすことを難しくしている。しかし水上交通機関はきれいな景色、ゆったりとした座席、ネット接続などのメリットもある。
    船に乗って通勤とは優雅な感じだが、すぐに運休しそうなのが不安だ。
  • 米国生まれのMMOGであるWorld of Warcraftが世界的なヒットとなっている。普通、ビデオゲームは地域ごとの特性があり、複数の地域で同じようにヒットさせることは難しい。しかしこのゲームは中国のほうが米国よりもユーザー数が多く、世界的なビデオゲームとなった。ハードコアなゲーマーだけではなく、初心者でも楽しめるというバランスを実現したことが成功の秘訣だと見られている。米国では比較的少ないようだが、アジアではゲームの世界で知り合ったゲーマーたちがオフラインで集まるという行動も多く見られる。