- 作者: 日高敏隆
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2003/12/11
- メディア: 単行本
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人間も動物の不完全な世界認識を馬鹿にはできない。人間が認識できないもの(たとえば紫外線)を認識できる動物もある。人間は科学の発展により現実には知覚できないものでも理解することは可能になったが、動物にはそのような機会はないので永遠に不完全な世界認識のままで生きることになる。しかし今まではそれで問題はなかったのだ。
人間にも知覚できない脅威が存在する。病原菌が代表例だ。現在では医学の進歩により病原菌の存在は理解できるようになったものの、昔の人にとっては原因も分からずにバタバタと死んでいく状況は全く理解不可能で恐怖に満ちたものだったのだろう。動物にとっても同じことが言えるのかもしれない。自分が知覚できない存在(たとえば人間)にいきなり殺されたり捕まえられるような状況はまったく理解できないものなのだろう。まるで2次元の世界に住んでいる人が3次元の世界の人にいきなり殴られるようなものかもしれない。