20050328

PC上で読んだ。しばらく通勤にはiPod Shuffleのみを持っていくことにする。
・米国不動産市場が90年代後半の株価上昇を思わせるような展開になっている。不動産のデイトレーダーまで登場しているのだ。開発中の物件に群がる投資家は、あたかもIPO銘柄の分け前を得ようと証券会社に殺到する投資家のようだ。ある夫婦は、新築のマンション購入のためにキャンプまでしたという。当然のことだが、多くのエコノミストなどは投機色が強まっていることに懸念を抱いており、バブルが崩壊するのも近いと見ている。「根拠なき熱狂」の続編がもうすぐ登場するロバート・シラー教授もその一人である。家賃収入と比較した物件価格は、かなり高い水準となっており、インカムゲインよりもキャピタルゲイン狙いで購入している投資家が多いことが伺える。ビジネススクールでも不動産投資の熱狂は感じられる。ハーバードビジネススクールの卒業生の就職先として不動産企業の人気が高まっているのだ。不動産企業に就職しなくても、投資を行なう卒業生も多い。


ティファニーの株価が低迷している。日本市場での不振が全体の業績を引っ張っているのだ。米国では好評だった低価格帯の商品が日本市場ではあまり受けなかったという事情がある。加えて、銀や金などの貴金属の相場が上昇していることもコストアップにつながっている。ただ同社のブランド力は引き続き強く、投資対象として魅力的と指摘するアナリストなどもいる。ルイヴィトンやコーチなどの他のブランド企業による買収の可能性を指摘するアナリストもいる。特にコーチとの組み合わせが魅力的と指摘している。


・ケーブルテレビや衛星テレビは、番組中に流すテレビCMを視聴者に応じてカスタマイズできるような仕組みを導入しつつある。より視聴者の属性にあったCM にすることで高い広告単価を徴収することが可能になる。現在では、地上波テレビと比較して、ケーブルや衛星テレビのCM単価は低く抑えられていた。しかし顧客情報を収集することはプライバシーの問題も絡んでくる。テレビCMの歴史は、当初は番組1社提供という形式で始まった。製品の宣伝を行なうために番組が作られていたのだ。しかし多くの広告主に短い時間を販売するほうが多くの売上を得ることができるとテレビ局は気づき、現在のようなスポットCMが誕生したのだ。現在は再び先祖帰りが進みつつある。プロダクトプレースメントと呼ばれる方式が広まってきたのだ。この方式では広告主の製品を番組中にしのびこませるのだ。視聴者属性に応じたCMを流す技術は多くのハイテク企業が開発している。中にはデジタルビデオレコーダーに保存した番組中のCMを実際に視聴者が見る時点の最新情報に更新するというシステムまで存在する。


・7つのプライベート・エクイティ・ファンドで構成されるグループが、SunGard Data Systemsを買収すると見られている。この買収劇は、買収ファンドによる買収としては最も多くのファンドが絡んでおり、最も多額の資金を投入する案件となった。この買収の背景には、買収ファンドにかかるプレッシャーがある。多くの資金が流入する中で、魅力的な買収案件が少なくなりつつあるのだ。同社はデータバックアップや大企業向けのデータサービスなどを提供しており、普通のハイテク企業と異なり業績の安定性が高い。そのためEBITDAで7倍程度と、ハイテク企業の買収としては高い評価水準となっている。ただこのように規模が大きいと、出口戦略の策定にも支障が生じると見られる。買い取ってくれる企業を見つけることができるのかという問題があるのだ。そのため会社を分割して売却するか、再びIPOを行なうかといった方法に限定される。参加した買収ファンドは、KKR、ゴールドマン・サックス、Blackstone、Texas Pacfic Groupなどである。


イースターのためか、Heard in Asiaは休載の様子。
ロバート・シラー教授の新作が出るとの記事(一番最初の記事)。同教授が書いた以下の本は大変面白かった。新作では不動産市場のバブルを取り上げるという。

投機バブル 根拠なき熱狂―アメリカ株式市場、暴落の必然

投機バブル 根拠なき熱狂―アメリカ株式市場、暴落の必然