中国流のビジネスを変えるときが来た

Chinese business : Time to change the act (The Economist)
経済運営全般なら、輸出主導ではなく内需主導型の経済体制に移行せよというところだろうが、今回の記事は企業レベルでの話。まとめると知的所有権というか私的所有権に対する保護が弱いことが、企業の研究開発意欲を削ぎ、高付加価値製品への移行を遅らせているといった感じ。企業の株主が政府である場合が多いし、純粋な民間企業であっても政府のさじ加減で簡単につぶされてしまうことを経営者は充分理解している。このように政府の存在が大きすぎることが経営を様々な形でゆがめていると批判。
記事の中のチャート(2番目)が非常に興味深い。中国のハイテク製品の輸出に占める外資系企業の比率が年々高まっているということが分かる。意外なデータだ。漠然と低付加価値・労働集約的製品から高付加価値製品への移行が中国の現地企業のレベルでも進んでいると考えていたが、実態は違うようだ。品質の悪さも中国企業が世界的にブランドを構築する上で大きな障害となる。昔は日本製品も品質は悪かったので、時間が経てば中国製品も品質向上が進むのだろうと思うのだが、この記事ではそうではないと指摘している。日本企業と比較して中国企業には品質へのこだわりが少ないようだ。長期的な視野でビジネスを進めるという意識も低いようである。パナソニックの創業者である松下幸之助は1000年間の経営計画まで立案していたそうだが、そんなことは中国ではありえない。