預金保険上限引き上げ競争

Deposit insurance : A useful fiction (The Economist)
世界中で、預金保険の上限を引き上げる動きが加速している。米国でも先ほど成立した金融安定化法案で倍以上に引き上げられた。英国も同じだ。欧州ではアイルランドが全預金を政府保証するという発表をしたために(その結果預金を含む銀行の債務すべて政府債務とみなすと同国のGDPの325%にも達する)、アイルランドへの預金流出を恐れて、他の欧州諸国も上限引き上げを行わざるを得ない状況にある。預金保険がどのように運営されるのかは国によって異なる。銀行に対して預金に一定比率の保険料を課すという米国型から、政府が負担するという方法もある。驚くことにオーストラリアには預金保険が存在しない。破綻した際にどのような方針が出されるのか見物である。たぶん保証はされると思うのだが。。情報の非対称性(銀行経営者は自行の経営状況を知っているが、預金者はあまり知らない)という問題があるし、保険の存在自体が取り付け騒ぎを減少させ、金融システムを安定化させるので預金保険の存在理由はあるのだが、保険があることで銀行がリスクを取りすぎてしまうという副作用もある。