事業会社が抱える金融子会社

GE and industrial loan companies : Parting company (The Economist)
一番顕著な例はGEが抱えるGEキャピタルであるが、多くの事業会社が金融子会社を傘下に収めている。自社製品を販売する際にローンを提供するためだ。この手のベンダーファイナンスの歴史は古い。日本でもよくみかける子会社であるが、非常に意外なのが、米国ではこの手の金融子会社はIndustrial Loan Company(ILC)と呼ばれており、預金保険付きで預金まで受け入れることができるという。しかも銀行よりは規制は緩やかだ。銀行業界は同じような商売をしているのにILCへの規制が緩やかであることを長年不満に感じており、金融制度改革の一環として攻撃してきた。ILCという業態を廃止する方向で事態が推移している。ただ今回の金融危機がILCが原因だったという事実はないのだが。もしGEキャピタルが銀行並みに規制が加えられることになると、GEの他のビジネスでも規制が加えられることになり、分離せざるを得なくなる可能性もある。公的資金受け入れで権威が落ちたとはいえ、銀行業界の政治力はいまだ衰えていないようだ。