市場社会の思想史―「自由」をどう解釈するか

市場社会の思想史―「自由」をどう解釈するか (中公新書)

市場社会の思想史―「自由」をどう解釈するか (中公新書)

まだ最初のほうしか読んでいないが、経済学は政府がどの程度市場に関与すべきかを試行錯誤しながら進んでいるように見える。あたかも振り子のように自由放任から社会主義に至るまで両極端の間を揺れて今に至っている。現在は市場メカニズムにできる限り多くのものをゆだねてしまおうという考えが強まっているようだが、人間が生み出すものは完璧にほど遠いと思うのでたぶん揺り戻しがあるのだろう。すでに日本では始まっているのかもしれない。

フラットな社会とは、市場経済が浸透した社会のことかもしれない。お金さえあればなんとでもなる社会。それがフラットな社会なのかもとふと思った。市場経済が浸透しないと金で買えるものもそれほど多くはないし、どれだけお金を持っているかという尺度はそれほど意味をなさないのだろう。