CBS ドキュメント20070524

  • The Killings In Haditha 2005年11月にイラクのハディーサで発生した、米国海兵隊による民間人虐殺事件。関係した軍人は軍法会議にかけられることになった。その中の一人がインタビューに登場。虐殺はやむを得なかったと弁明している。ハディーサはスンニ派支配下にあり、もともと反米感情が強い地域で、この事件前に米国の軍人は何人か死亡している。事件は、通行中の海兵隊の車両が路肩爆弾で爆破されたことに始まる。この事件を受けて、近くを通りかかったイラク人の車を停止させ、いきなり発砲、近所の民間人の家にも、手榴弾を投げ入れて攻撃することになった。明白な脅威がないと攻撃できないのだが、その場の状況ではやむを得なかったと説明している。裁判に与える影響もあるに違いないのに、テレビ番組に登場してインタビューに応じるというのも米国的だ。インタビュアーも感情を押し殺して冷静に質問しているのも印象的。現在読んでいる「責任はだれにあるのか」(ASIN:4569646271)を思い出した。
  • Cowell Worth More Than Springsteen? オーディション番組の「アメリカン・アイドル」の辛口審査員、サイモン・カウエルの紹介。「アメリカン・アイドル」は日本でも放映されているとは初めて知った。見てみたいなあと思って調べてみるとスカパーで放送しているみたいなので無理か。この辛口審査員はSony BMGの役員でもあり、番組のプロデューサーでもある。番組が大ヒットして大もうけしつつ、優勝者(Sony BMGと契約する)のCDの販売でも大もうけ、おいしい立場である。このレポートを見ているだけでは、かなりひどいやつだと思うが、才能をかぎ分ける力はあるのだろう。スターになるためには、どんなひどいことを言われても耐えられるぐらいのタフさが必要というようなことを話していた。印象的だ。

表彰を受ける

この前、永年勤続の表彰を受けた。こんなに長い間会社に勤めることになるとは思わなかった。数ヶ月程度で退職するのではないかと思っていたのだが。しかし長い間勤めていても自分が成長したという意識はあまりない。いまだに学生気分が抜けないような気さえする。

妻の会社ではかなり多くの新卒学生を採用しているが、すでに数人退職したらしい。いくら何でも早すぎると思うのだが、無理に引き留めもしないようだ。戦力になる前の段階だから、いなくなってもとりあえずは問題はないのだろう。すぐにあきらめてしまうような奴はいらないということかもしれない。

意図しない結果をもたらすか。

JPモルガンの北野氏のレポートで初めて知ったが、企業年金連合会のコーポレート・ガバナンス原則に、ROEが三期連続で8%以下の場合、納得のいく説明がない場合は再任しないと明記されている。北野氏の予想では、この原則が銀行株に好材料となるかもしれないという。風が吹けば桶屋が儲かる的な予想かもしれないが。というのも、ROEを引き上げる手っ取り早い方法が、借金して自社株買い戻しを行うことだからだ。日本企業全体を見ると、不況の中、過剰債務や過剰人員の削減を熱心に行ってきた。この債務削減の流れを反転させるきっかけになるのかもしれない。たくさん債務を抱えることは買収ファンドからの攻勢への防御としても有効だし。
ただ気になるのが、このようなコーポレートガバナンス原則を満たすために、企業が債務を抱え込むと当然事業リスクが高まってしまう。ROEを高めるためとはいえ、結果的に会社が倒産してしまったら意味はない。よかれと思って出した原則が、意図しない悪影響を生み出すのではないかと少し不安を感じたりする。

http://www.pfa.or.jp/top/jigyou/gov_1.html

図書館

予約しておいた本が多数到着。

NHK プロフェッショナル・仕事の流儀 「勝負の決断はこうして下す・経営者・坂本幸雄」

録画してからだいぶ時間が経ってしまった。エルピーダメモリの経営者が今回の主人公だ。半導体ビジネスは非常に難しい商売だと思う。シリコンサイクルという名前があるように、好況と不況の差が激しい。巨額な設備投資が求められるだけに、一度工場を稼働させると後に引けない状況に追い込まれてしまうのも、過剰生産に陥りやすくなる要因だ。価格が下落すると減収分を補おうとしてさらに増産する。そうなると一層供給過剰になり、業界全体が泥沼に陥ることになる。減産したとすると、減価償却負担が大きくなり製造原価が高くなってしまう。加えてライバルにつけ込まれる可能性もある。チキンレースのようなものだ。相手が止まってくれることを祈りつつ突き進むしかない。このような半導体事業の特殊性を考えると、決断の重みも他のビジネスとは大きく異なってくるのだろう。常に大ばくちをやっているようなものではないか。
この番組を見て、社長のやり方には好感は持てたが、株式(銘柄コード:6665)に投資するかどうかと問われたら、「はい」とは答えにくい。技術革新により社会には大きく貢献しているが、投資家には長期的に魅力的なリターンを提供できるのか少し疑問も感じる。1兆円以上の投資を行い、業界リーダーのサムソン電子から半導体市場の覇権を奪い取るという計画も紹介されていたが、サムソン電子も黙っているとは思えないし、今後どんな展開になるのか注目だ。
会議は一時間以内に終わらせる。決断はすぐやる。間違っていたら素直に認めて変更する。などが印象的。社用車がなく社長も電車通勤というのが意外だ。オフィスも質素で低コストであることが伺える。

NHK プロフェッショナル・仕事の流儀「未来を見すえる者が勝つ・競馬調教師・藤沢和雄」

これも録画したもの。火曜日の午後10時台はNHKの「プロフェッショナル」とテレビ東京の「ガイアの夜明け」が放送されている。時間があってもリアルタイムでは見ないので、火曜日の夜は「ガイアの夜明け」を録画して、「プロフェッショナル」は翌週の再放送分を録画するようにしている。
競馬調教師が主人公だが、仕事の範囲が予想以上に幅広いことに驚かされる。調教する馬を選ぶところから、出場するレース・騎手・戦術の決定まで含まれる。馬主から預かった馬(億単位の馬まである)をレースで勝たせるように調教する訳だが、これはファンドマネージャーみたいな職業だなとも思った。目先の勝利に惑わされずに、長期的な目標を目指して調教するというのが印象的だ。

NHKスペシャル「敵対的買収を防げ・新日鉄・トップの決断」

5月7日放映分だからだいぶ時間が経ってしまった。
ミタル・スティールからの買収の脅威にさらされる新日鐵がテーマだ。社長に密着してどのような対策を進めているのか紹介している。新日鐵の買収防止策としては、一つめが個人株主への働きかけを強めること、二つめがグローバル化、つまり世界市場でミタル・スティールに対抗する体制を整えることだ。提携先を買収されて海外に展開する日本企業への供給に不安が出ているためだ。社長への密着取材をNHKに認めたのも、個人投資家対策だと感じられた。同社は個人株主対策として、アンケートを行ったり、工場見学を企画している。工場、特に大型の製鉄所を見学させるのは効果が大きいという気がした。でかい工場を見せると強烈な印象を株主に与えることができるのではないかと思う。

5月より三角合併が解禁されたが、どの程度外国企業による日本企業への敵対買収が発生するのか、少し疑問に思う。以前にも書いたような気がするが。全額現金で株式を買い取るのであれば成功するかもしれないが、よく分からない外国企業の株式と交換してくれと提案を受けても応じる株主はそれほど多くはないだろう。特に個人投資家の場合には。新日鐵内部での危機感は理解できるが、社内を引き締めるために危機感を煽っているような印象も受ける。敵対買収がすぐにでも行われるかもしれないというのに、社長はどこか淡々としている。腹を決めているのか、それとも買収できないと楽観視しているのか。

ミタル・スティールの快進撃もどこまで続くのかという点も気になる。様々な製鉄所を買収してもそれだけで新たな価値を生み出せるのか。コスト削減以上の効果を得られるのか少し疑問だ。