意図しない結果をもたらすか。

JPモルガンの北野氏のレポートで初めて知ったが、企業年金連合会のコーポレート・ガバナンス原則に、ROEが三期連続で8%以下の場合、納得のいく説明がない場合は再任しないと明記されている。北野氏の予想では、この原則が銀行株に好材料となるかもしれないという。風が吹けば桶屋が儲かる的な予想かもしれないが。というのも、ROEを引き上げる手っ取り早い方法が、借金して自社株買い戻しを行うことだからだ。日本企業全体を見ると、不況の中、過剰債務や過剰人員の削減を熱心に行ってきた。この債務削減の流れを反転させるきっかけになるのかもしれない。たくさん債務を抱えることは買収ファンドからの攻勢への防御としても有効だし。
ただ気になるのが、このようなコーポレートガバナンス原則を満たすために、企業が債務を抱え込むと当然事業リスクが高まってしまう。ROEを高めるためとはいえ、結果的に会社が倒産してしまったら意味はない。よかれと思って出した原則が、意図しない悪影響を生み出すのではないかと少し不安を感じたりする。

http://www.pfa.or.jp/top/jigyou/gov_1.html