住宅について

昨年秋より本格的に住宅購入を検討し始めたのだが、ちょうど間が悪いことに株式と合わせるような感じで不動産価格も上がり始めているようだ。
住宅購入に焦りは禁物とのことだがどのような態度で望むべきかメモしておきたい。

マンションではなく一戸建てを考えているのだが、相場が上昇しているのかどうかは何を見て判断すべきかどうか、実のところよく分からない。というのも土地の個別要因があまりにも強いために、比較することが困難だからだ。同じ場所に同じ売主が同じ仕様で同じ間取りで、毎年分譲していれば、その販売価格を観察することで相場が上昇しているかどうかが分かるが、そんなことは実際には不可能だ。100戸ぐらいある大規模開発で数年にわたり少しづつ竣工して販売する場合であればある程度比較できそうだが、私が検討している23区内ではそんな大規模開発はそもそもほとんど存在しない。
そのため、あまり相場がどうこうと考え込むよりも、けっきょく結局自分の予算の範囲内で、一定の基準(間取り・交通便など)を満たせるかどうかのみ考えるべきではないかと思っている。

先日、パワービルダーからメールが来て、これからの分譲物件は人件費上昇のため数百万円程度値上げする予定と書いてあった。いろいろなデベロッパーは異口同音に復興需要で建設作業員を確保するのが難しい、労務費が上昇していると話している。しかしコストが上がったからそれをそのまま販売価格に転嫁できるかどうかは別の問題だ。それができなくて困っている業界は多い。長期的には住宅の価格は、労働者の賃金と金利で決まると思うので、賃金が上昇しないなかで住宅価格が持続的に上昇するとは考えにくい。(金利はまだ下がる可能性はあるかもしれないが、これ以上下がる場面では景気も悪くなっているだろうから賃金も下がる可能性が高い。)

そのため、期待先行で住宅用の土地が上昇するのは、戸建/マンションデベロッパーにとっては苦しい状況ではないかと思う。土地・建設費を分譲価格に転嫁すると売れ行きが落ちて在庫が積み上がり資金繰りが悪化するか、もしくは売れ行きを維持するために分譲価格の上昇を抑え利益率が低下するか、いずれかの道しかないのではないかと予想する。たとえば、パワービルダーの飯田産業の株価はだいぶ上昇しているが市場ではこのようなシナリオは考えていないのだろうか。