現代フランスの二つの側面

France: Reforming gloomy France | The Economist
興味深い記事。フランス人は何か政府に対して不満があるととりあえず通りに出て騒ぐという気質がある。昨年の年金改革では年金支給開始年齢を62歳に引き上げるというだけで大規模なストや抗議運動が行われた。しかし改革は成立し実際に適用も始まっているがすでに話題からは外れている。労働組合を中心に既得権益を守ろうとする勢力は強いが、政治から距離を置いてベンチャービジネスに注力する新しい起業家世代も登場している。お役所天国というイメージが強いが、フランスでは新規ビジネスを行う上での障害はかなり削減されており、起業家にとっては過ごしやすい国になりつつある。フランスにとってはこのような若い起業家世代をどのように扱うのかが大きな問題となる。

フランスが自国の将来に対して非常に悲観的というアンケート結果も興味深い。日本よりも低い水準だ。反対になぜかナイジェリアは極めて自国に対して楽観的でありこの差はどこに由来するのだろうと不思議に思う。フランスにおける極右勢力の拡大も、サルコジ大統領に対するだけではなく、既存政治全般に対する不信感・不満が原因という。