アメリカの財政赤字

America's budget: The latest cop-out | The Economist
日本の財政赤字も問題だが、The Economistではアメリカの財政赤字を取り上げる回数のほうが圧倒的に多い。海外(中国)からの資金調達に頼らざるを得ないという点が問題なのだろう。この記事の最初のパラグラフが面白い。財政赤字を肥満に喩えて、オバマ大統領が示す処方箋を紹介している。いわば食事制限は、全体の8分の1に限る(つまり8分の7の食事には一切手をつけずそのままにする)。食事の量を減らすのではなく、食事の増加率を抑えるといった具合だ。米国での財政赤字削減対策としては防衛費以外の裁量支出(つまり先ほどの食事制限における8分の1が示す)を削減することが中心で、これでは財政赤字の削減にはあまり効果がない。また大統領の予算案では、異常に高水準な経済成長を前提としているのも問題だ。自分の肝いりで開催した財政再建に向けての委員会が出した答申も無視している。この答申では年金や健康保険といった社会保障にも手をつけることを促しているのだが、既得権者が多いだけに民主党共和党両方とも及び腰だ。この漫画が問題を端的に表しており面白い。

先週の記事では、声域扱いされている防衛費に関して、国防長官自らがコスト削減の主導権を取っているとのこと。自ら率先してコスト削減に取り組むことで、議会主導での大規模な削減を避ける狙いがあるという。