食料廃棄と肥満の関係

Environment : A hill of beans (The Economist)
どの程度の食料が廃棄されているのか、実態を探るのは難しい。せいぜい限定された家庭にアンケートするか、ゴミを回収して調査するしかない。しかし別の方法で調査しようとした研究者がいる。米国の公衆衛生当局がまとめた米国人のカロリー消費量と、米国内の食料生産をカロリーで換算したもの、その差分を持って食料廃棄とみなすのだ。なかなかうまい方法だと思う。その結果、米国における食料廃棄はなんと40%にもなるという。1978年と比較しても大幅な上昇だ。おもしろいのが、廃棄された食料は少なくとも消費されていないので肥満につながらない筈なのに、食料廃棄と肥満には関係があるらしい。食料を捨てれば捨てるほど、消費量も増えているというから奇妙だ。食料廃棄自体は、在庫ロスよりも販売機会の低下を問題視する小売店からすれば理にかなっている(もちろん飢えで苦しむ途上国の人がいることを考えると倫理的な問題があるが)。廃棄分のコストは販売価格に転嫁されているためだ。