金融危機を引き起こした銀行経営者は、悪党と言うよりもただの無能

Managing banks : It wasn't me (The Economist)
笑える指摘。この世の中は陰謀に満ちていると考える人たちにとっては、金融危機を引き起こしたのは経営者たちの悪巧みだと考えがちだ。しかし実際には、銀行経営者はエンロンワールドコムの経営者のように全貌を知った上で悪巧みをしていたというよりも、部下たちが何をやっているのか、全然知らなかったという状況にあったと言える。悪党というよりもただのバカということである。今回の金融危機を受けて、どのような企業統治を行えば惨事の再発を防ぐことができるのか、調査が進められているが、最適な解答は得られていない。買収しまくっている企業でも成功する場合もあるし、経営者や従業員が自社株を多数抱え込んでいる場合でも破綻することもある。有能だと思われていた識者が取締役を務めていた会社でも苦境に立たされている。結局、規模が大きくなりすぎるとどのような手を打ってもまともに経営するのは難しくなるということなのかもしれない。