最強の高級ブランド、ルイ・ヴィトン

LVMH in the recession : The substance of style (The Economist)
非常におもしろい記事。金融危機に端を発した世界的な景気後退は、高級ブランドには大きな打撃になっていると思いきや、ルイ・ヴィトンは別格のようだ。売り上げは堅調でシェアを伸ばしている。景気後退は、中途半端なブランドをつぶしていくが、本当に価値のある製品を提供できるメーカーにはむしろ追い風にさえなっているみたいだ。この記事で描かれているルイ・ヴィトンの企業文化というのが興味深い。徹底的な品質管理を行い、自動車業界からもノウハウを学んでいるという。自社店舗でのみ販売することで価格コントロールを維持し、在庫処分のためのたたき売りを避けている。たたき売りをするぐらいなら在庫を破棄してしまうほどだ。ルイ・ヴィトンは、フランスの高級ブランドコングロマリットのLVMHの傘下にあり、ほかにもタグ・ホイヤーヘネシークリスチャン・ディオールなども同様にLVMHのもとにある。しかし一番の稼ぎ頭がルイ・ヴィトンであり、依存度が高すぎることが株主にとっては懸念の元でもある。多くのブランドを抱えているものの、業績がぱっとしないブランドも多い。しかしいずれブレイクするとの期待から抱えているようだ。LVMHは今までも多くのブランドを買収してきたが、今回の景気低迷はさらなる買収のチャンスにもなっている。経営陣は多くを語らないが、シャネルやエルメスに関心を示しているとの声もある。

以前にBusiness Weekでも特集記事があり、読んだことを思い出した。(http://d.hatena.ne.jp/ichiyu/20040322/p1)