"This time is different"はもっとも高くつくフレーズ

Lehman Brothers and the crisis : A year on (The Economist)
最近は、テレビも見ないし新聞も読まなくなってThe Economistが唯一の情報源となりつつある。ここ数週間は半分は読んでいると思う。現在はThe Economistのオーディオエディションを全部聞くという目標に向かって、通勤電車の中で毎日聞いているところだ。まだ聞いていない記事が20日分程度あるので、毎日24時間聞いても20日かかるし、もちろんそんなに聞いていられないので一日2時間聞いたとしても年内に終わることは不可能だ。iTunesのプレイリストにたまっている記事がどんどん消えていくのが気分がよい(再生回数をゼロのものだけをスマートプレイリストで設定している)

今週号のThe Economistはリーマンブラザーズ破綻1周年を記念して関連記事が目立つ。当然だと思うがリーマン破綻を取り上げた本も多数出版されているようだ。この記事はそんな本の書評。気になるというかよく意味が分からないのが、“[W]e have huge brand with [T]reasury,”という文章。昨年初旬に当時の財務長官であったポールソン長官がリーマンのCEOに対して身売りを勧めたらしい。実際のところは勧めると言うよりも命令にちかいようなものだったらしいが、リーマンのCEOは“[W]e have huge brand with [T]reasury,”と反応し、それを知ったポールソン長官が、あいつら絶対救済しねえ!と決意を固めたという。brandという単語が持つ意味が不明だが、「当社は財務省に貸しがある」とか「財務省では受けがよい」とかそんなところなのだろうか。

しかし今回の金融危機を描いた本の題名として"This time is different"というフレーズを持ってくるのはおもしろい。今まで何度もバブル・バブル崩壊を経験しても、過去の教訓を学ばずに「今回は今までとは違う、バブルではない」と信じ込み、結局バブル崩壊で痛い目に遭ってしまう。将来に対して楽観的というのは人間の本性なのだろうか。


This Time Is Different: Eight Centuries of Financial Folly

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In FED We Trust: Ben Bernanke's War on the Great Panic [ラフカット]

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今週号のThe Economistの別の書評ではこの本も紹介されている。翻訳されたら読んでみたい。