議会重視の弊害

Lexington : The senator-in-chief (The Economist)
先週と今週の2週続けて、The Economistが遅配となった。いつもは日曜日の夕方(これにしてもかなり遅いと思うが)だが、2週続けて月曜日の配達となった。あまりにも遅配が多いと電子版に切り替えようかとも思うが、食事をとりながら読むにはやはりプリント版のほうがありがたいのも確かで悩むところ。
この記事だが、題名は「主席上院議員」といったところか。連邦議員から直接大統領になるのは1960年以来(ケネディ)のことらしい。米国大統領は絶大な権力を持っているようで、議会の支持なしではなにもできない存在である。そのため議会の協力を取り付けるのが欠かせないのだが、オバマ大統領の前の民主党出身大統領(カーター、クリントン)は両方とも議会との関係が芳しくなかった。オバマ大統領はこの教訓を生かしてか、もしくはかつての同僚たちに敬意を払ってか、非常に議会を重視した政権運営を行っている。人事を見ても議員としてキャリアを築いた人物を多数起用しているのがわかる。オバマ大統領の議会重視の姿勢は、景気刺激策などの重要法案をスムーズに成立させることにつながった。しかし弊害も多くある。大統領自体は政策の細かい点にまで執着せずに、議会に任せてしまうという姿勢を貫いているが、議員たちはかならずしも国全体を考えて法案を作るのではなく、自分たちの選挙区の利害を重視した法案を作成してしまうことが多々あるため、実効性に欠け、むやみに複雑な法律になってしまう。オバマも歴史に名前を残すような大統領を目指すのであれば、議会任せではなくもっと主導権をとって政策を立案すべきと説いている。