インドとインドネシアの総選挙

Democracy in India : India's jumbo election (The Economist)
Indonesian democracy : Beyond the crossroads (The Economist)
インドとインドネシアでは総選挙が行われている。インドネシアでは4月15日に行われる予定と記事には書いてあるのですでに終了しているのだろう。インドでは1ヶ月に渡って投票が行われる。両国とも多くの人口と広大な国土を抱え、投票を円滑に行うこと自体が非常に大きなチャレンジとなっている。インドの有権者は7億人以上、投票所は80万以上、政党は300にも上ると言うからとんでもないスケールだ。インドとインドネシアの選挙で共通しているように見えるのが、選挙運動のやりかただ。マニフェストを出して政策で争うというよりも立候補者の個人的な人気に依存しているように見える。逆に2国間で逆行しているように見えるのが、インドでは政党が個々の利益団体(宗教やカーストなど)の代表に陥ってしまい、国民全体を統合するような大規模な政党が存在感を低下させているのに対し、インドネシアでは逆に宗教色が強い政党が、幅広い支持を獲得するために世俗的な色彩を強めるようになっているという点だ。加えて、インドにおいては最低得票率の制限がないので少数党でも議席を獲得できるようになっている(連立政権に成らざるを得ず少数党の主張に引きずられてしまう)のに対し、インドネシアでは一定の得票率を確保しないと議席が与えられないので死に票が多くなる(国民の意見が代表されない層が多くなる)という点も異なる。それぞれ問題は抱えつつも、いずれの国も民主主義は根付いているということは言えるようだ。