進化論の観点からマラリア対策を考える

Malaria : Resistance is useless (The Economist)
進化という観点をなくして生物を語ることはできないとはよく聞くフレーズであるが、病気も同じく進化という観点を抜きに考えることはできない。マラリア撲滅が難しいのは、媒介する蚊を抹殺することに重点を置きすぎることにある。強力な殺虫剤が開発されると、当初は劇的な効果を上げる。しかし喜びもつかの間、耐性を持った別種の蚊が繁殖し元の木阿弥になってしまう。そこである研究者たちが考えたのが進化論の観点を取り入れるということだった。最も感染力の強い高齢の雌の蚊のみを集中的に駆除することで耐性を持った別種の蚊の繁殖を抑えつつ、感染拡大を防ぐという。しかしどのように高齢の雌の蚊のみを駆除するのか。既存の殺虫剤を薄めて利用するという方法がある。高齢ほど殺虫剤に弱いのだ。または菌を利用する方法も研究されている。