広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス

広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス

広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス

読了。最初のほうは天文学が中心だが、最後のほうになると進化生物学が中心になる。それ以外でも社会学や地質学などの話題もあり、科学の豪華詰め合わせだ。科学の教科書にいいかも。解説も豊富なので前提知識は不要だと思われるが、一度読んですんなりと理解できるほどは易しくない。消化不良気味だ。再読したい。
進化や知能を考える際に、人間中心の観点で眺めてしまう危険性が指摘されている。つまり人間が知能を有しているために、生物が進化していくと最終的には知能を持つようになるはずだと考えてしまうのだが、このような見方は間違っているかもしれないのだ。生物はそれぞれ生存してきた環境に最適な形に進化しており、知能を持たないのは知能を必要とするような環境に置かれなかったためと考えるべきなのだろう。代わりに鋭い嗅覚や聴力を進化させる方向に進んだと見るべきなのかもしれない。
知的生命体が存在するかどうかは、人類最大の謎であり、課題なのかもしれない。科学という営みはこの課題を解決することを最終的な目的にしているのではないかとさえ考えてしまう。

SF作品も数多く紹介されており、アシモフの「夜来たる」は読んでみたい。確かに複数の太陽が存在し、夜がない惑星では宇宙を観測すること自体ができないし、宇宙という存在さえ気づかないで生きているのかもしれない。ロケットを飛ばして宇宙を探検しようと考えるのは想像できない。