刑務所天国のアメリカ

Lexington : A nation of jailbirds (The Economist)
米国では他国では類を見ないほど刑務所に投獄されている人が多い。米国は全世界の人口の5%を占めるだけだが、全世界の受刑者の25%も占めている。犯罪に対して厳しい態度を示している結果である。しかし急増する受刑者数に施設が追いつかず受刑者の環境は劣悪な状況になっている。精神的に病んでいる受刑者も多い。刑務所にいる精神病患者数のほうが精神病院にいる患者数よりも多いぐらいだ。犯罪の抑止力になっていればまだましだが、そうでもない。受刑者の多くが釈放されてもまた刑務所に舞い戻ってしまう。
受刑者は釈放されても参政権を奪われるという仕打ちを受けなければならない。家族にも被害が及ぶ。親が刑務所に入れられている子どもは親と同様に受刑者になってしまう可能性が高いのだ。このような状況をなんとかしようという勇気のある政治家は少ない。そもそも受刑者・元受刑者は参政権がないし、刑務所産業複合体というべき企業や組合、ロビイストなどが議会で強力な政治力を有しているためだ。