若手経済学者のホープを紹介

Emerging economists : International bright young things (The Economist)
The Economistでは誌名に敬意を払ってかどうかは不明だが、定期的に若手経済学者の中から、将来有望株をリストアップしているようだ。かつてはクルーグマン教授(昨年ノーベル経済学賞を受賞)や、レビット教授(ヤバい経済学で一気に知名度を上げた)も紹介していたというから先見の明はあるようだ。今回も多くのホープを紹介しているが、randamistaと呼ばれる一派が興味深い。なんて日本語では訳すのかよく分からないが積極的にフィールドテストを行って法則を見つけ出すことから実験経済学とでも呼ばれるのかもしれない。randamistaと呼ばれるのは、実験対象者をランダムに割り振って、あるインセンティブを与えるグループとそうではないグループ(統制群)に分けるためである。あたかも新薬の臨床実験を行うような感じだ。このようにグループに分けて実験すると、どんな意外な結果が出てきても信用せざるを得なくなるというのがポイントのようだ(インセンティブを与えるという条件以外は同じという前提が満たされればということになるが)。ただいくらこのやり方である法則が見つけられても、なぜそうなるのかまでは分からないので再現性があるのか信用できないという批判もあるようだ。
記事の最後にある一文が面白い。"What defines economics? Economics is what economists do―the best of them, anyway." 何でもありということか。ヤバい経済学を読んだときにもこれが経済学なのかと感じたことを思い出す。