急増する国債発行に市場は耐えられるか

Buttonwood : The issuance issue (The Economist)
これから、財政出動または金融システム救済のための資金を手当てするために先進国では大規模な国債発行が続く。今のところはリスク資産に対する投資意欲が極めて低いので、どんなに利回りが低くても買い手は大勢いるのだが、今後もこのような状況が続くのか。日本では20年近くにわたって赤字国債を発行し続けてきたが、問題なく市場で消化できた。しかし日本は多額の経常黒字で貯蓄率も高いので国内で国債を消化できたのだが、米国や英国は海外から投資を呼び込む必要がある。米国はドルが基軸通貨であり、ドル高であることも有利に働くが、英国の場合はこのような恩恵はない。問題は、政府がやっきになって実現しようとしている景気回復・金融システム再生という目標が達成できたときである。現在の財政赤字を考えると景気回復だけで財政収支が均衡するとも考えにくく、やはり国債発行が必要になると思えるが、買い手はいるのかどうか疑問符が付く。