ロシア経済について

Russia's economy : The flight from the rouble (The Economist)
Shrinking cushion
ロシアは前回の金融危機を教訓として多額の外貨準備を保有している。世界第4位の保有高だ。しかし最近のルーブル安を受けて、通貨防衛のために巨額の介入を行った結果、急速に外貨準備が減少している。ルーブル安にはいくつかの要因がある。まず原油安。ロシアの輸出の多くが原油なので原油価格が下落するとルーブルも一緒に売られている。金融危機により外人投資家が資金を本国に還流させているという要因もある。最初はロシア当局も外国人によるルーブル売り投機を批判していたが、ここへきて明らかになってきたのはルーブルを売っているのはロシア人であるということだ。当局が介入を行うことで緩やかにルーブルを安くしようとしていることが、さらなる先安感を生みだし、一層のルーブルの売りが発生する状況になっている。15%程度一気に下落させれば売り圧力は低下するとの見方もあるが、ルーブル高を国力ととらえてきたプーチン首相の威信も低下させるし、ロシア国民による銀行取り付け騒ぎが発生する可能性もあるので難しい。緩やかなルーブル安に押さえ込むことで、原油高や国際金融市場の安定という好材料が出てくるのを待つという展開になっている。