グローバル化を進める法律事務所

International law firms : Trying to get the right balance (The Economist)
2004年2月の古い記事だが面白い。積極的に世界戦略を進めてきた会計事務所と比較すると、法律事務所のグローバル化は遅れている。クライアントがグローバル化しているので自分たちもグローバル化しないといけないという意識はあるようだ。英国の法律事務所は米国を中心に海外進出を狙っているがなかなかうまくいかないようだ。同じ英語圏とはいえ、米国と英国では法律事務所のカルチャーに大きな違いがあるのだ。英国では年功序列でパートナー間の利益分配が行われるが、米国では自分が稼いだ分は自分がもらうという方式である。加えて、米国の法律事務所は英国と比較して海外進出の面では遅れているが、収益性は遙かに上回っている。そのためわざわざ英国の法律事務所と手を組む理由が見つからないのだ。英国勢が米国の事務所をうまく買収できたとしても、先に述べたような利益分配の違いから、有力な人材を獲得するのに苦労することになる。そのため海外進出において、買収よりももっと緩やかな提携関係を進める事務所も多いようだ。