知的好奇心

知的好奇心 (中公新書 (318))

知的好奇心 (中公新書 (318))

読み始める。けっこう古い本だ。書いてある内容は今から見ると違和感はないが、当時は大胆なものだったのかもしれない。チクセントミハイのフロー理論にも通じるような気もする。
赤ちゃんの人見知りに関する記述が面白かった。生後半年程度かけて赤ちゃんは身の周りにいる人間を見て、人間という存在のイメージを組み立ていくのではないかという。知らない人に会うとそのイメージとは離れているために恐怖心を感じるのではないかと推測している。大家族で育った赤ちゃんは大勢の人に囲まれているのでその分、人間のイメージを組み立てるのに時間がかかり、人見知りが始まる時期が遅れるのではないかと指摘している。
ただし、人間は既存のイメージからかけ離れたものに対していつも恐怖心を持つのではない。少しばかりイメージから外れたものに対しては逆に珍しさにより知的好奇心がかき立てられる。赤ちゃんには適度な刺激を与えてあげる必要があるようだ。なかなか参考になる。そう考えるとテレビをまったく見せないというのも無理があるのかもしれない。ただテレビは視覚や聴覚に対してのみの刺激なので偏っているのかもしれないが。