FRBはどこまで利下げするか

The Fed's rate cut : Approaching zero (The Economist)
利下げを受けてFF金利は1%にまで低下した。しかし利下げよりもFOMC後の声明の内容がさらに驚きであった。今までは景気減速リスクとインフレリスクの両方に言及していたが、今回は景気減速リスクにしか触れなかったためだ。このことからさらなる利下げも期待される。しかしどこまで利下げできるかが疑問となる。今月より準備預金にも金利を支払うことになったが、その金利FF金利の誘導目標から35bp引いた水準に設定されている。この水準を維持することを前提にすると利下げしてもあと0.5%程度ということになる。もし金利をゼロにしたとすると銀行は準備預金を積み上げるだけで他の銀行に貸し出す動機を失うことにもなる。また利下げしすぎるとMMFの運用が困難になり、短期金融市場での大きな資金の出し手を失うことにもなりかねない。そこで金利の引き下げよりも量的緩和を一層推し進めるとも考えられる。