ドキュメント・にっぽんの現場「定時制高校3年4組・3月」

定時制高校の入学者が増えている。もともと公立高校人気が高まっているらしいのだが、全日制の競争率が高くなって不合格になった生徒が定時制に流れているという。過去には、このような生徒は全日制の私立高校に通学するのが普通だったが、保護者の経済的な環境が悪化しているために私立に通うことができなくなっている。昼間にバイトをして給与の一部を家に入れている生徒も多いようだ。高校生の口から、(経済的に)生活が苦しいとの言葉を聞くのもちょっとショックを感じた。
親の経済状況の悪化が、子供の教育環境に悪影響を与え、結果的に子供の進路を狭めてしまう。この構図は昔からあったと思うが、最近になって目立ってきたと言えるのかもしれない。この負の連鎖をどのように断ち切るのか。抜本的には経済成長率を高めるほか無いのかもしれないが、短期的には奨学金制度の拡充などがあげられるのだろうか。