まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか

引き続き読書。
「問題なのは、私たちが最近の短い歴史からあまりに多くのことを汲み取ろうとすることなのだ。」サブプライムモーゲージの問題も原因はここにありそうだ。
「白い白鳥を何羽見ようと、すべての白鳥は白いと推論することはできない。一方、黒い白鳥を一羽でも見かければ、その推論を棄却するのに十分である。」帰納からは真理を導くことはできない。仮説の過ちなら証明できるが。


本書を読んでいると著者はかなりひねくれた性格であることはすぐに分かる。もちろんそんな性格でないとトレーダーとして長いキャリアを務めることはできなかっただろうが。ジョージ・ソロスを評価するのは、彼がカール・ポパーを紹介した点にあると断言してしまうのも面白い。以前、ジョージ・ソロスのインタビューをテレビで見たとき(http://d.hatena.ne.jp/ichiyu/20070616/p4)にもポパーについては何度も言及しており、著作を読んでみたくなったが手を出していなかった。この本を読んでさらに読みたくなる。